明治四十一年(1908年)二月十四日 金曜
晴。
起居身體 午前六時五十分起床、午後九時四十分就褥。
見聞行事交際 午前十時より午後六時過まで文藝大會あり。生徒の演説、職員の講演、筑前琵琶の彈奏ありて頗る盛會たり。晩餐後、正秀君に國文讀本を教授す。千代子妹より十二日附の封書來る。予よりの書に對する謝禮及び自己の近況報告あり。尚、教生となるについて必要なるべければ、懐中時計一箇をたまはりたし。こは父母より賜る約あるも、貴下よりの品ほしければ、とくに請願すとあり。
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晴。
起居身體 午前六時五十分起床、午後九時四十分就褥。
見聞行事交際 午前十時より午後六時過まで文藝大會あり。生徒の演説、職員の講演、筑前琵琶の彈奏ありて頗る盛會たり。晩餐後、正秀君に國文讀本を教授す。千代子妹より十二日附の封書來る。予よりの書に對する謝禮及び自己の近況報告あり。尚、教生となるについて必要なるべければ、懐中時計一箇をたまはりたし。こは父母より賜る約あるも、貴下よりの品ほしければ、とくに請願すとあり。
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晴。
起居身體 午前七時起床、午後十時半就褥。
見聞行事交際 午前九時半、紀元節奉賀式舉行あり。十時終る。式後、奉置殿の戸締錠の開方を職員一同が調べて會得す。よき事なり。十一時半までピンポンをなす。
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晴、風いと寒し。
起居身體 午前四時十分起床、午後十時半就褥。
見聞行事交際 長岡一番下りにて歸港、定刻に出勤。
爲二弟より一昨日膳に上りし菓三箇及び他の菓子罐詰一箇を土産として受く。甚五郎弟より封書、本朝到着す。交換文として和歌あり、また病氣は肋膜炎性ピックといふものにて、此ピックとは呼吸器病の總稱なり。而して當地はこの呼吸器病の流行甚しく、内科疾患の95%は皆これなり。さてまた此ピックは重きは恐るべき肺結核ともなり、大體輕きは二箇月位、重きは注射治療の後、五六箇月にして全快し得る由。抑、此注射は病勢の大方衰へかゝりて後、試むるものにて、之によりて其症の輕重を卜すとの事なり。小生も今日〔五日〕初めて注射を施されたれば、先々病勢は衰へたるものと知るべく、現下食氣も進み、身體には差したる苦痛も覺えずとの報あり。
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午前晴、午後風雨。
起居身體 午前八時起床、午後十一時爲二弟方にて就褥。
見聞行事交際 待ちに待ちしも來たらざりし兄上の返書、本朝來る。其要に曰く、爲二弟の結婚披露式には參列すべしと。依而、本日出岡に決し、二時間出勤の後、装を整へ、三番上りにて出岡す。之より先、爲二弟へ打電して昨日の發信を取消す。弟方に會するもの、實家兄上、前田兄君及び繁之助君なり。晩餐に小酒宴ありて、舉式の意を表せらる。爲二弟へ贈りたる進物は酒料壹圓、半襟料壹圓、箱入りの扇子二本〔箱とも三十二錢〕羊羹二本なり。爲二弟ちい子兩人共、予が今回の宴に列せずとの書をやるや、何ぞ感情にさはれる所ありしにてかとて、いたく痛心したる由、予に於て何かある、坦懐何かある、是、疑ありて直に其意をたづぬべき書を發したりと。
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風吹き雪降る。
起居身體 午前六時廿分起床、晩餐後炬燵で眠る事約一時間半、十一時廿分就褥。
見聞行事交際 爲二弟へ明八日の結婚披露式には參列せず〔兄上か母上の列せられなば、予は敢て參ずる必要なしと認めたるによる〕との書を發す。
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曇。
起居身體 午前七時十五分起床、午後十時半就褥。風邪やゝ快し。
見聞行事交際 習字をなす事約一時間半。晩餐後、予科二年の臨書手本を揮毫す。正秀君にかなづかひを教授す。爲二弟より來る九日の宴、都合により八日に變更すとの旨を報じ越す。
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雪。
起居身體 午前七時半起床、午後七時炬燵にて美術新報を讀みつゝ眠り、十時半就褥す。風邪いよゝゝ重りたればアンチピリン丸を服す。
見聞行事交際 甚五郎弟へ一月分の交換文〔和歌〕及び試筆一葉を送る。妹子へ返事及び近況慰問と予が近況の報知、正秀君出港、其後受験準備の状況とを報ず。兄上へ爲二弟の結婚式に予も參列すべきか否かの意見を問ふべき書を發す。
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午前晴、午後雨。
起居身體 午前六時五十分起床、午後十時半就褥。風邪の氣味あり。
見聞行事交際 午前當直の事務をとる。八時筆師山内氏來訪し畫談などし、大書筆一本を購ふ。午前八時半より當校撃劍部第七回大會の舉行あり。午後六時十分閉會す。予も職員試合に出で二名を斃し、第三次の敵に散らる。晩餐後、大島君を訪ひ、君よりかつて依頼の商業學校豫科本科二年級の人名を示す。何ぞ高等女學校にて取調ぶる事のあるらし。序に約一時間半畫談をなす。
爲二弟より封書來り、來る九日、結婚披露式を舉ぐるにより、參列あれとの案内あり。こは兄上も歸省中にあり、前田兄上も近々京都地方へ轉勤すべしとの故を以て、此際決行するものなり。
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晴、夕刻より雪降る。
起居身體 午前七時十分前起床、午後十一時半就褥。
見聞行事交際 午後浅野の代理當直をなす。晩餐後、大塚師を訪ひ風雅會組織の協議をなす。組織については先づ會員を募集し、來週會合して細則を協議する事とす。會の全體の主義は、あまねく風雅の心あるもの會合して、揮毫、談話、古今書畫の研究、批評、書畫教授法の研究をなす事とす。師の紹介なる羲之筆、呉文碑法帖、價三圓五十錢なるを購ふ事とす。之は精良堂が他の所藏家の依頼によりて賣るものなり。習字をなす。
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雪降り積ること七寸許。
起居身體 午前七時四十分起床、午後十時半就褥。夕食後轉寢す。
見聞行事交際 第二學期教授要録を教頭へ差出す。繪葉三葉をかく。晩餐後和歌入門を讀み、こゝに巻を終ふ。甚五郎弟へ病氣慰問第二信を繪葉もて發す。
所感 世を羞ぢみ しげくなせぞよ いひしかど
さてぞまたるゝ 我妹子が文
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