明治三十九年(1906年)一月六日 土曜
曇。霙に似たる雲ちらりちらり。
行事交際 午前七時起床、石川君宅にて雜煮の饗應を受け、十一時ここを辭して爲二殿の宿なる中島さんにゆき、母上より年玉みかん十個を呈して、母上と予との年禮を申しのべ、爲二殿に會して、開田一件に關して我家の耕地の處置問題解決の模様を告げ、長岡町にをらるゝ前田繁之助君へ年玉として兩人にて、白米一斗を呈する事とし、現下同君も白米の貯あるべければ、包にはたゞ白米一斗と書したる紙札をさし入るゝに定めて、之が包をしつらふ。正午、辭し去らんとしたるに中島さん主婦の御前祝酒を饗せんと申されければ、いなむも失禮と思ひ、玄關よりひきかへして之を受け、かつ晝食をもいたゞき午後一時に近き頃、こゝを出でたちて長岡にまゐる。
先づ藤田一石君を訪ひ、風呂敷壹筋〔代價十五錢位〕を年玉として呈し、年禮をのべ、四時前共に岡田嘯月先生を訪ひ、兩人して札幌ビール二本を年玉に呈し、年禮を申し上げ、日暮るゝ頃より九時迄酒肴、きりそば、餅なんどの饗應にあづかり、藤田君がりへかへりて泊る。
所感 岡田師、藤田君と酒宴中、畫道の談をたゝかはす。師は頗る氣焰高かり。
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