明治四十一年(1908年)二月八日 土曜
午前晴、午後風雨。
起居身體 午前八時起床、午後十一時爲二弟方にて就褥。
見聞行事交際 待ちに待ちしも來たらざりし兄上の返書、本朝來る。其要に曰く、爲二弟の結婚披露式には參列すべしと。依而、本日出岡に決し、二時間出勤の後、装を整へ、三番上りにて出岡す。之より先、爲二弟へ打電して昨日の發信を取消す。弟方に會するもの、實家兄上、前田兄君及び繁之助君なり。晩餐に小酒宴ありて、舉式の意を表せらる。爲二弟へ贈りたる進物は酒料壹圓、半襟料壹圓、箱入りの扇子二本〔箱とも三十二錢〕羊羹二本なり。爲二弟ちい子兩人共、予が今回の宴に列せずとの書をやるや、何ぞ感情にさはれる所ありしにてかとて、いたく痛心したる由、予に於て何かある、坦懐何かある、是、疑ありて直に其意をたづぬべき書を發したりと。
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